スポーツ 理論

筋肉のエネルギーATPを知ろう!無酸素運動が有酸素運動の違いも分かる

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今回は、筋肉を動かすエネルギーATPの作り方について説明していきます。
これを知ると、無酸素運動が有酸素運動の違いがわかってきます。

ヒトの筋肉のエネルギー供給

運動の種類によって、短時間だと無酸素運動、長時間だと有酸素運動と呼ばれます。

酸素を使うか使わない?無酸素運動だと脂肪が落ちない?

無酸素運動と有酸素運動には、違いがあるけれど、どっちでも動いているのは筋肉です。

人間の筋肉のエネルギー供給について知ると、無酸素運動、有酸素運動の違いが分かってきます。

人の筋肉のエネルギーATP

人の筋肉が動く時、エネルギーはどこから来ているのか?たんぱく質?炭水化物?

実は筋肉を動かすエネルギー源はどんな運動でも同じです。

人の筋肉が動く直接のエネルギーを作るのは、アデノシン3リン酸(ATP)です。

アデノシン3リン酸が分解されてアデノシン2リン酸ができる時に出るエネルギーによって人の筋肉は動いています。

 

筋トレや短距離走など無酸素運動でも、ジョギングや遠泳など有酸素運動でも、アデノシン3リン酸から筋肉を動かすエネルギーを作ります。

ATPがたくさん貯蔵できれば、長時間の運動や瞬発系の運動ができそうです。

しかし、そんなに都合よくなくて、体内にあるATPの量は少なくて運動すると、ATPは1~2秒で無くなる量です。

エネルギーのATPは1~2秒動いたら無くなる量です。しかし、1~2秒動いてバタンと倒れる人はいません。

なぜならば、ATPが使われる一方で、体内ではATPを作り続けているからです。

このATPを作る工程によって、無酸素運動や有酸素運動が分かれます。

ATPの作り方

ATPの作り方を1枚の図で書くと下のようになります。

図が汚いのと絡んでくるものが多いのでわかりにくいですが…

ATPの作り方は、3種類。

ATP-CP系、乳酸系、有酸素系の3つです。

ATP-CP系と乳酸系がいわゆる無酸素運動です。

ATP-CP系と乳酸系だと、ATP-CP系のほうがより短時間の運動で使われます。

図だけを見てもわかりにくいので、1つずつ説明していきます。

ATP-CP系

ATP-CP系のATPは上で紹介したアデノシン3リン酸、CPはクレアチンリン酸のことです。

運動を始めると、ATPが使われていきます。

ATPがADPに分解されるのと同時に体内のクレアチンリン酸が分解されていきます。

クレアチンリン酸が分解されることで、ADPがATPに再合成されます。

上で紹介した図からATP-CP系の部分だけ引っ張り出しました。

ATPが使われるとクレアチンリン酸が分解されて、そのエネルギーを使って再びATPを作ります。

そのため、ATP-CP系と呼ばれます。

とにかく反応が速くて運動開始時や短時間で強度の高い運動で活躍します。

ただし、クレアチンリン酸の貯蔵量はそれほど多くATP-CP系だけだと10秒と持ちません

実際には、ATP-CP系と同時にほかの機構も動いて、ATPとクレアチンリン酸が作り続けられているので
ATPが尽きたり、クレアチンリン酸が尽きたりすることはありません。

このクレアチンリン酸を体内に多く貯蔵しよう!という目的のサプリメントがクレアチンサプリメントです。

乳酸系

つぎに、乳酸系です。解糖系、乳酸解糖系などとも呼ばれます。

この反応では乳酸はATPを作るエネルギーにはなっていません。でも、乳酸系と呼ばれます。

グリコーゲンやブドウ糖からブドウ糖6リン酸が作られて、ピルビン酸になるときにエネルギーが得られます。

ただ、ピルビン酸の状態だと体に貯めにくいので、乳酸の状態で保存されます。

つまり乳酸が体に貯まっていきます。

この乳酸が溜まることは疲労がたまる意味で使われます。

実際は乳酸は、ピルビン酸に変わって有酸素運動のエネルギー源になれます。

乳酸はゴミではありません

急激な運動をすると、乳酸が貯まっていきます。

乳酸が溜まると、乳酸系の反応が進み辛くなり体がしんどく感じる原因になります。

有酸素運動

最後に有酸素系です。

ピルビン酸と、脂肪からアセチルCoAが作られます。

乳酸系の運動で溜まった乳酸もピルビン酸に変化してアセチルCoAになります。
アセチルCoAは、アセチルコエンザイムエーのことです

次にアセチルCoAが、ミトコンドリア内のクレブス回路に入っていきます。

このクレブス回路と電子伝達系とよばれるシステムによって、エネルギーが取り出せます。

ところで、図を見てもらうと、酸素が入っています。

ATP-CP系や乳酸系では酸素は使われません。文字通り、「有」酸素ということです。

有酸素運動では、脂肪がエネルギーになります。

脂肪がエネルギーになると聞くと脂肪だけ使ってくれればいい…
んですけど、人体はそう都合できていません…

クレブス回路は、TCA回路やクエン酸回路とも呼ばれます。

いくつか本を読んだのですが、どちらも使われているようです。

エネルギー供給の限界

ATPを作るシステムを紹介してきました。3種類あるということは、3種類に特徴があるということです。

ATP-CP系>乳酸系>有酸素系の順でエネルギーの供給速度が速く瞬発的な運動に適しています。

有酸素系は瞬発的な運動に向いていません。

一方、供給時間は逆で、ATP-CP系は7秒、乳酸系は33秒、有酸素系は無限大です。

有酸素系は空気中の酸素を使う、脂肪があればエネルギーを作り出せます。理屈の上では無限になります。


ATP-CP系は何秒というとすぐにATPが無くなるんじゃ?と考えがちですが、

乳酸系や有酸素系から得られるエネルギーでATPとクレアチンリン酸が常に作られていますから、ATPやクレアチンリン酸は無くなりません。

ただし、筋肉の出力は落ちていきます。100m走のタイムの4倍で、400m走は走れる人はいませんよね?

100m走を13秒で走れるんだからフルマラソンを91分で走れるかというとそんな人間はいません。

フルマラソンの世界記録は2時間3分23秒だそうです

乳酸は疲労物質?

SASUKEなんかを見ていると、実況が「乳酸が溜まってきた!!」と疲労を強調します。

でも、有酸素系において乳酸はエネルギー源です。

私はSASUKEに出場したことはありませんが、見た感じ無酸素運動が多いので、ATP-CP系と乳酸系が肝だと思います。

乳酸が溜まるとグリコーゲン→乳酸の反応が止まる
すると、有酸素系を使うことになります。

無酸素と有酸素とを比べると有酸素は筋肉の出力が落ちます

SASUKEみたいな競技では筋肉の出力が落ちたらでは命取りなので、

乳酸が疲労物質として強調されるわけです。

通常の運動においては乳酸が溜まるとだるいですが、乳酸そのものは老廃物では無いのでそんなにネガティブな物質ではありません。

まとめ

全部をつなげると最初のほうに貼った画像になります。

乳酸解糖と有酸素系の反応は常に行われ、クレアチンリン酸とATPは、作られると同時に使われています。

無酸素運動有酸素運動という言葉は知っていても、

違いを理解しないと、自分がどういう運動をしているかわからないままになります。

 

有酸素運動!!と叫んで頑張って走っても、100m走のペースで1km2kmと走れないのは当然で、
ゆっくり走ってうまく有酸素運動をすれば、それほどきつい思いをせずに2km走れます。

運動生理学の本にはイラストが多かったり、入門者向けのやさしいものもあるのでスポーツをする人は1冊読んでみると、運動に活かせると思います。

私が読んだ中ではスポーツ・バイオメカニクス入門は、イラストが多くわかりやすいので特におすすめです

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